税理士と会計士の違いを簡単に説明するとこうなる

税理士と会計士の違いを簡単に説明するとこうなる

税理士と公認会計士の違いをご存知ですか? ある税理士さんは、その違いについて「100万回聞かれた」とおっしゃっています。そこで、税理士と公認会計士の違いを簡単にまとめてみたいと思います。

税理士と会計士の違いを簡単に説明するとこうなる

 

1.税理士と公認会計士は、まず資格が違う

税理士と公認会計士は、まず資格が違う

端的に結論を言ってしまえば、税理士と公認会計士は、どちらも会計を専門とする国家資格ですが、その資格の範囲に違いがあります。
公認会計士は、公認会計士の資格試験に合格した人だけが、なることができます。そして公認会計士になると、税理士登録をするだけで税理士の資格を兼ねることができます。

一方税理士は、原則として税理士試験に合格した人がなることができますが、公認会計士資格を備えるためには改めて公認会計士試験に合格しなければなりません。

つまり、公認会計士は税理士登録の必要があるものの、資格としては税理士資格を兼ねる、と言うことができます。

余談になりますが、実は税理士資格を取得するには他にもいくつか方向があります。
例えば弁護士も、税理士登録をするだけで税理士資格を取得できます。
また、税務署で23年以上勤務した職員も、無試験で税理士になることができます。

したがって、同じ税理士と言っても、その資格取得の方法によって特徴が全く異なるわけですね。

公認会計士への道は一つですが、税理士への道は複数あります。税理士に依頼される場合は、その背景とそれぞれの税理士さんの特徴をよく理解した上で依頼されるのがよいでしょう。

以下に、どのくらいの数の税理士、公認会計士の登録者の方がいらっしゃるのかを、近畿地方を例にとり表にしてみました。

 

近畿地方の登録者数
税理士 14,108人
公認会計士 3,208人
(平成26年2月現在)

 

税理士のほうが圧倒的に多いのは、公認会計士と税理士が兼ねられるということもありますが、資格試験の難しさに違いがあるということでしょう。
どちらも国家資格ですが、税理士よりも公認会計士のほうが幅広く業務を行えます。

 


 

2.業務が違う−税理士の業務を知る

業務が違う−税理士の業務を知る

税理士の業務は「税理士法」という法律に規定されています。以下の3つが、税理士の業務です。これらの業務は、税理士でないと行えないことになっています。

  1. 納税等にかかわる税務代理
  2. 税務書類の作成
  3. 税務相談

税理士の主な業務は、税金の申告の代行です。各種の税金の申告や申請、また税務書類の作成などを行います。税理士は、そのほか会計帳簿の記帳の代行や財務書類の作成も行いますが、税理士がこれらの業務を行う場合、最終的には税金の申告のために行うということになります。つまり、税理士の役割は税金の申告や申請の代行と、それに伴う業務の遂行です。

 

3.業務が違う−公認会計士の業務を知る

業務が違う−公認会計士の業務を知る

今度は、公認会計士の業務を見ていきたいと思います。以下の4つが、一般の公認会計士の業務です。

  1. 財務書類(決算書と、決算書の数字の基となる書類)の監査証明
  2. 決算書の作成や会計へのアドバイス
  3. 税務申告書の作成や税務相談
  4. 経営コンサルティング

このうち、国家が公認会計士だけに認めている業務は、1.の財務書類の監査証明業務だけで、その他の業務は公認会計士の特権的業務ではありません。
株式会社は、株主や投資家に会社の財務状況を開示する義務があります。しかしながら、この情報開示は基本的に税務も含めて自己申告を原則としています。そのため、公認会計士は客観的な立場にたつ会計の専門家として、企業が開示する財務書類が適正であるかどうかをチェックする必要があるのです。これが世に言う会計監査です。

ただし、この公認会計士監査が法律(金融商品取引法)で義務付けられているのは、株式上場企業だけです。
非上場企業が、自主的に公認会計士の監査を受けて、株主のその会計報告の適正性を訴えることは有益なことではありますが、必ずしも法律で義務付けられている業務ではありません。

一方、上場企業の場合は、その会社の自己申告による会計情報を頼りに株式が一般市場で売買されるため、投資家にとっても債権者にとっても、その会計情報の適正性、適法性が極めて重要になるわけです。
従って、客観的に公正妥当な立場から、会計のプロである公認会計士がその会社が自主的に行った会計処理や表示方法などに不正がないかどうかを厳しく監視する必要があるのです。
言い換えると、公認会計士は、資本主義というシステムの中で、社会的必要性から生まれた資格、と言うことができます。


 

4.実は税理士は要らなかった!?

実は税理士は要らなかった!?

ここで、税務業務を扱う税理士資格に関して、根本的なことを確認しておきましょう。
先ほど、上記2.のところで、税理士の職業についてご説明しました。

  1. 納税等に係る税務代理
  2. 税務書類の作成
  3. 税務相談

でしたね。
ここで注意してください。税務申告というのは、本来は申告する会社または個人が自らの計算によって自己申告するのが原則です。そして、それが自分でできるならば、税理士に委託する必要はないわけです。

要は、税理士さんという職業は、自己申告作業が面倒だ、あるいは税務的な知識をフォローして税務書類を作るのが大変過ぎる、という申告者に変わってその業務を代行できる唯一の国家資格を持っている人、ということなのです。

ここで少し、税理士という人に、なぜそような特権的な国家資格が与えられているかを考えてみましょう。
「税金はとても複雑で分かり難いので、それを扱う専門家がいないとアブナイ」
これが表向きの理由です。
ただ、これは国家の認める資格ですよね。そして、税金の徴収者も国家です。つまり、自己申告を基本とする我が国において、税金の取りっぱぐれを防止するために国がその資格を用意している、とも言えそうです。

それゆえ、税理士さんの中には、税務署側の立場を優先するあまり、クライアントに対する顧客サービスという立場を持たない方がいることも事実です。業務を依頼する側は、その方の立ち位置やポリシーをよく理解して、判断する必要があります。

 

5.税理士と公認会計士、違いを知って目的に応じて使い分ける

税理士と公認会計士、違いを知って目的に応じて使い分ける

税理士と公認会計士のどちらに業務を依頼すればよいか悩む事業主の方は、多くいらっしゃいます。
また、どちらの資格も取得していなくても、経営コンサルタントとして経理の代行や会計アドバイスを行っている事業者は数多くあります。では、会社経営をされている方は、どのような業務を誰に委託すればいいのでしょうか?

上でご説明したように、税理士も公認会計士も会計のプロとしての国家資格です。どちらも、最高峰の国家資格であるため、会計及び税務的には最高レベルの知識を兼ね備えています。
記帳代行や、伝票整理等の一般の経理作業の外部委託などは、もちろんどちらの資格の方でも特に問題はないはずですし、また、このような業務は、国家が資格取得だけに認めた業務範囲ではないので、会計系の経営コンサルタントや経理代行サービス業者に委託しても何ら問題はありません。

一方、期末の税務申告については、税理士か税理士登録をしている公認会計士に委託することになります。

ただし、有資格者であっても、それぞれの得意とする分野やサービスクオリティはさまざまなので、仕事を委託する側が、その実力を判断する必要があります。

 


 

6.公認会計士と税理士の実情

公認会計士と税理士の実情

公認会計士も税理士も、合格するのが大変難しい資格です。
公認会計士については、4科目からなる短答式試験と呼ばれる択一式試験の合格後に、5科目からなる論文式試験を受けなければならず、年間の合格率は実質10%を切ります。
また税理士資格も、必須科目を含めて合計5科目の累積による科目合格が要件とされていますが、これも一科目ずつ競争率の激しい試験なので、5科目を取るためには最低4-5年くらいかかるのが一般的なようです。

公認会計士は、監査業務がメインの特権的業務ですから、まず公認会計士試験に合格すると、ほとんどの人は、監査業務に特化した監査法人に入所します。
一方、税理士資格の方は、5科目を揃えて完全な税理士資格を保有する前に、税理士事務所に勤めながら、有資格者の所長について税務実務を始めることが非常に多いです。

どちらの資格も、独立するとそれぞれ自分の看板で仕事ができることになりますが、公認会計士監査という仕事は基本的には大規模会社をクライアントとして発生する業務なので、個人の会計士が営業的に仕事を取れる領域のものではありません。
それゆえ、独立した公認会計士は、小規模会社の税務代行や経理請負、経営コンサルを主に行っていくことが多くなり、税理士や一般的な会計コンサルタントと市場で競合することになります。

実際にご自身で経営をされている方や事業主の方々には、まずはご自身のニーズを具体的に把握しましょう。その上で、有資格者を含むそれぞれのサービスサプライヤーの特徴を理解し、ベストな選択と使い分けをされることを強くおすすめします。

 

まとめ
税理士と会計士の違いを簡単に説明するとこうなる

  1. 税理士と公認会計士は資格が違う
  2. 業務が違う−税理士の業務を知る
  3. 業務が違う−公認会計士の業務を知る
  4. 実は税理士は要らなかった!?
  5. 税理士と公認会計士、違いを知って目的に応じて使い分ける
  6. 税理士と公認会計士の実情

税理士と会計士の違いが、おわかりいただけたでしょうか。どちらにしても、最終的には信頼関係。経理資料を開示するということは、個人であっても企業であっても、事業者として最も重要な情報を開示するということなので、人間性や相性といったことも非常に重要になります。

資格制度の根本的な違いを理解して、さらにそれぞれのサービスサプライヤーさんの実力と特徴を把握した上で、外部委託のベストな選択をして頂ければと思います。

以上、
「税理士と会計士の違いを簡単に説明するとこうなる」 でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。