ビジネスにスポーツ選手の成功法則を活かす方法


野球のイチロー、サッカーの中田英寿、テニスの錦織圭。日本人でも世界で活躍するスポーツ選手が増えてきました。
運動能力やセンスなど、彼らの持って生まれた素質が非凡であるのは間違いないところかと思いますが、その点では、他のライバルの中にも負けず劣らず優れた選手も多くいたはずです。では、なぜ一部の選手だけが秀でた結果を残せるのでしょうか? 彼らのスポーツでの成功の背景には、いわゆるスポーツ根性のような単純な精神論だけではないメカニズムがあるように思えます。
今回は、スポーツ選手の成功の理由を学び、ビジネスへの応用の方法を考えてみたいと思います。

ビジネスにスポーツ選手の成功法則を活かす方法

 

 

スポーツにおける成功と他の分野での成功の違い


スポーツにおける成功は、他の分野における「成功」とどう違っていて、どんな点では共通しているのでしょうか?
スポーツにおける成功の大まかな特徴をリストアップしてみると、

  • 特定の種目に限定されている
  • 成功か否かの結果が明確である
  • 最盛期があり、さらにその期間的な限度がある
  • 怪我というリスクがある

といったあたりでしょうか。
特に、種目にもよりますが、年齢的な部分が大きく左右する部分は、スポーツ分野における最も大きな特徴と言えるでしょう。そのように考えると、スポーツのフィールドは基本的に短期的な視点に立っているため、あまり他のフィールドには活かせないようにも思えます。
ただ、考え方によれば、そのスポーツにおける選手寿命を人生という時間軸に置き換えてみることもできるわけです。そして、結果を残すためには上記のような要素に加えて、

  • 肉体的及び精神的なバランスが重要である
  • チームスポーツの場合、他の選手との関わり合いも大きな要素になる
  • 強力なリーダーシップが結果を導くこともある
  • 結果には運も大きく左右する

と言った要素も絡んでくることを考慮すると、スポーツ選手がさまざまなプロセスの中で成功をつかみとる背景にも、ビジネス、ひいては人生を計画的に描く上で大いに応用できるヒントがあるに違いありません。

 

結果を残せるスポーツ選手の共通点


スポーツ選手には、結果を残せる人とそうでない人がいます。
もしそれが、持って生まれた身体的な能力の差だけによるものであるならば、この記事も何の価値も持ちませんし、またエンターテインメントとしてのスポーツ自体の面白さも半減でしょう。
しかし実際には、スポーツ選手の成功にも、実にさまざまな要素が背景にあり、それが結果として現れるということに関しては異論のないところかと思います。その証拠に、身体的な資質には恵まれながら、選手としては大成しなかった例は枚挙に暇がありません。
では、その違いはどのようなところから生まれるのでしょうか。成功を収めたスポーツ選手のインタビューや研究から、いろいろと共通点があることが分かってきます。

まず一つには、メンタルの強さです。
個人スポーツなのか団体スポーツかにもよりますし、種目によってその強弱はまちまちかと思いますが、基本的にメンタルが弱いスポーツ選手で結果を出せている人は、世界中どこを探してもいないでしょう。実際に、このメンタルの強さという要素は、持って生まれた素質もありながら、挫折や困難を乗り越えることで培われる部分も大きいと思われ、天性のものだけではなさそうです。

次に、どのようなスポーツでも、練習や鍛錬という努力によって心技体のレベルが上がっていくことに違いはありません。つまり、努力の質と量によって、その状態は作られていくわけです。努力というと、ただ歯を食いしばって苦難を乗り越えるような古い日本の精神論的イメージも未だに残るところですが、世界的なレベルともなると、単純な根性論だけで結果を残せるような環境ではありません。
最終的な目標値の設定から、戦略的に実行計画を練り、それを淡々とこなして行くのが現代的なスポーツトレーニングの姿です。
従って、その目標値をクリアできる=成功を収めることのできる選手というのは、目標設定やそのアプローチの計画策定も上手いことが前提条件であり、さらにそれを実践できる実行力が備わっていることも必要です。

最後に忘れてはいけないのが、彼らの精神的スタンスです。
大きな結果を残した選手のインタビューを聞いていると、ほぼ必ずと言っていいほど家族やスタッフ、またチームメートに対する感謝を表現します。また、一つの勝負に負けた場合でも、実力のある選手ほど、相手に対するリスペクトやファンに対する感謝を伝えます。
自分はプレイヤーであるけれど、勝負の結果は自分一人の力ではないと彼らは言うわけです。
素晴らしい結果を残せるスポーツ選手というのは、基本的に感謝上手であり、人間的な魅力に溢れる人が多いことは偶然ではないようです。

 

スポーツ選手にとっての「習慣化」という武器


スポーツの世界で、「習慣」が大きな結果を残すことにつながります。このことは、大リーグでイチローが活躍するシーンが日本のテレビでも放映されるようになってから、多く語られるようになりました。
大相撲の力士でも、実際の取り組み前に、独自の動きをルーティン化して、集中力の向上に利用している人も多くいます。

では、「習慣化」は、スポーツ選手の成功にどのように活きるのでしょうか?
実際に、イチロー選手がかつて所属したシアトルマリナーズの元専属スポーツトレーナーだった森本貴義さんは、スポーツ選手にとっての「習慣化」のポテンシャルを、ご自身の著書の中で次のように語っています。
「習慣化は、いわば行動に自分なりの型(カタ)を作ることであり、行動が型になると、無意識に体が反応するようになる。そして、それが定着するとミスの減少につながり、ひいては結果の安定になる」
これは、非常に分かりやすい説明かと思います。
言い方を変えると、どのような環境に対しても、無意識レベルで反応できる自分なりの対応力を備えること、つまり自分オリジナルの勝ちパターンを構築すること、と解釈できると思います。
確かに、野球のバッターで言うならば、どのような球が来たらどのように対応するか、というケースを可能な限りのバリエーションで想定しておき、それぞれに対して体が反応できるようにしておけば、当然ながらヒット率は上がりますね。
同様の考えで、格闘技の場合でも、相手の出方のパターンを想定しておき、それぞれへの対応法を体が覚えこむまで鍛錬して刷り込むという作業になるかと思います。
そして、先の森本貴義さんは、もう一つの「習慣化」の効果の一つとして、メンタル部分への好影響を指摘されています。
つまり、習慣化=自分なりの型、を一つ一つ改善させながら己の課題を克服していく過程の中で、「自分は大丈夫だと」いう自分への信頼感が向上するということですね。
テニスの錦織選手やサッカーの長谷部選手が、インタビューの時にしばしば口にする、「良い準備をする」という言葉も、本質的には同じことを指しているのかもしれません。

 

スポーツ選手の成功をビジネスに活かす方法


メンタルの鍛錬、目標と計画の立案・実行、習慣化、そして人への感謝や運を呼び込む力。それぞれの要素を一般化してみれば、もやは、それはどの世界で結果を出すうえでも共通の要素と言えそうです。
特に、自分自身の勝ちパターンを確立するための努力という部分は、ビジネスにも大いに応用できる要素でしょう。
個人にしても会社にしても、自身のフィールドで結果の残すための勝ちパターンを限り多く想定し、できるだけ多くの起こりうる環境パターンに柔軟に対応できるよう準備をする。その準備が十分にできれば、ミス(ロス)が少なくなり、結果(売り上げor利益)の向上につながります。

ただし、肝心なことは「習慣」は結果を出すための手段であって、それを活かすための目標設定は別であるということです。
その点は、スポーツの場合、勝負に勝つあるいは優勝するといった具体的なハードルを設定しやすいのに対し、ビジネスの場合はそれぞれを自身で設定するという作業も必要ですね。

 

まとめ

華やかなスポーツの世界と、人・物・カネのビジネスの世界では、一見関連性は薄いように思われますが、成功を掴み取るプロセスを見てみると、ビジネスや人生そのものにも大いに参考になる部分があるように思われます。
実際に、サッカーの中田選手やバスケットのマイケル・ジョーダンのように、スポーツで大きな成功をした人物でビジネスでも成功を収めている人も少なくありません。
偉大なスポーツ選手の自叙伝などにも、ビジネス成功のヒントが隠されているかもしれませんね。

以上、ビジネスにスポーツ選手の成功法則を活かす方法でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。