カーネギー『道は開ける』から成功のヒントを掴む


デール・カーネギーの著作『道は開ける』は、1948年にアメリカで書かれた書籍です。
1936年に出版された『人を動かす』とともに、自己啓発の重鎮デール・カーネギーの2大著作の中の一つですが、日本でも1999年に出版されて以降200万部以上の売り上げを上げている超ロングセラーです。
ここでは、この名著『道は開ける』のエッセンスから、成功へのヒントを探ります。

カーネギー『道は開ける』から成功のヒントを掴む

 

『道は開ける』の概要


『道は開ける』の原題は”How to Stop Worrying and Start Living”。直訳すると、「心配することをやめて、イキイキとした生活を始める方法」というような意味になります。
おそらく翻訳家の方がつけた原題かと思われますが、『道は開ける』という響きとはかなり違う印象ですね。
内容としては、

  • 日々生きて行く上で感じる不安を取り除き
  • 気分良く前向きになれること

がメインのテーマで、そのための具体的な方法が説かれているので、原題の方がダイレクトに内容を表現していると思います。
デール・カーネギー(Dale Carnegie)は、1888年、アメリカ・ミズーリ州の貧しい農家の出身です。大学を卒業後は一般消費材のセールスをやっていたようですが、彼自身、かなり精神的な苦悩を味わったようです。
そこで、哲学書や医学書などを読みあさり、人の「悩み」を解決する方法を研究し尽くして、体系化されたセオリーをまとめたのが、この『道は開ける』です。
書籍自体は、日本語版でも400ページ、コンテンツも7パート、全28章というボリュームです。このボリュームにも関わらず、洋の東西を問わずロングセールを記録しているのは、彼のセオリーの普遍性や有用性をよく表しているでしょう。

 

それぞれの章の重要ポイント


この書籍に書かれている膨大なコンテンツのうち、主だった部分を箇条書きでご紹介します。

 

パート1「悩みに関する基本事項」

  • 今日一日ごとに区切るー毎日切り替える
  • 起こりうる最悪の事態を自分で考えてみて、それを明確にしてみる
  • 最悪の事態を、場合によっては受け入れる覚悟をする
  • 悩みに関して具体的な戦略を立てる

パート2「悩みがもたらす副作用」

  • 悩んでいることを具体的に分析する(なぜ悩んでいるのか)
  • 原因を探り明確にする
  • 解決策を洗い出し、ベストな選択をする

パート3「悩みの習慣を早期に絶とう」

あえて忙しく立ち働き、悩みが入り込む余地を与えない

  • 小さいことを気にしないように努める
  • 心配の原因になっていることが起こる確率を考えてみる
  • 心配の原因になっていることの重要性を考える
  • 心をかける価値がないものは切るように努める

パート4「平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法」

  • 行動は感情と同時に動く
  • 快活さがなくなった時、努めて明るく振舞っていれば、快活さも自然に戻って来る
  • 仕返しは高くつく
  • 幸福を見つける唯一の方法は、己の喜びのために与えることである
  • 感謝の念は、後天的なものなので、子供の頃から感謝の念を持つように教育する必要がある
  • ネガティブなことは数えない。ポジティブなことは数える
  • 他人の真似ではない、自分の発見をする
  • 不快なことが起きたら、それを自分のプラスに利用できるように努力する
  • 毎日、誰かを喜ばせることを考えれば、鬱な気分は消えていく

パート5「悩みを完全に克服する方法」

  • 両親はいかにして悩みを克服したかを考える

パート6「批判を気にしない方法」

  • 最善を尽くしてあとは待つ
  • 自分の愚行を記録して、自分自身の批判をする

パート7「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」

  • 疲労の大部分は精神的なことが原因
  • 常にリラックスを心がける
  • できるだけ身体的にも楽な姿勢で働く
  • 一日4、5回は、自分を点検してみる ー 余計な力が入ってないか? 余計な仕事をしていないか?
  • 疲れを忘れ、若さを保つベストな方法は、信頼できる人に悩みを打ち明ける
  • 他人の欠点を気にしない
  • 寝る前に、次の日のスケジュールを作る
  • 緊張と疲労を取り払うようにリラックスすること
  • 当面、関係あるもの以外の書籍を机からなくす
  • 重要性を決めて処理する
  • 組織化、代理化、管理化を学ぶ
  • 自分の仕事を楽しめるように工夫する
  • 眠れない時は、眠くなるまで起きて仕事をするか読書をする
  • 睡眠不足で死んだ人はいない
  • 祈ることで得られる心の安定を利用する
  • 運動をいっぱいする ー 肉体を物理的に疲れさせる

 

日本人にとっての意義


『道は開ける』は、アメリカ人がアメリカ人のために書いた本です。従って本来、アメリカ人へのメッセージとなっているわけですが、ストレスが蔓延するすべての社会にフィットする内容となっています。
内容を吟味すると、西洋型の社会よりも、日本の社会への方が、より大きな価値がるように思えます。
だんだんと変化はしてきていますが、依然として、日本社会はいろいろな意味でストレスが多い構造をしています。そもそも、文化の原点である日本語という言語体系自体がそのことを表しています。例えば、第一人称を表現するときでも、

  • わたし
  • わたくし
  • オレ
  • アタシ
  • ぼく
  • じぶん

などなど、相手と環境によって使い分けるのが原則ですが、その選択を毎度、毎度、話をするたびに瞬時にしているわけですね。
つまり、しゃべる度にイチイチ考えなければならない、極めて疲れる言語体系をしているということです。
裏を返せば、日本の社会は、それほど互いの関係性を意識しなければならない構造をしているということですね。
この環境は、ネットの時代になろうと、西洋化が進もうと、基本的には変わりません。監視的な要素が加わり、むしろ、さらにストレスが増加していく方向にあるとも言えます。
このような大ストレス社会の日本にこそ、この『道は開ける』はより大きな価値を与える福音となるように思えます。

 

成功へのヒント


成功と心配、この2つの要素の関係は何でしょうか? 一見全く違う概念と思われがちですが、根底では非常に深く繋がっています。
成功とは具体的な定義のない言葉です。ですから、極端に言えば、他人が何と言おうと、自分で成功と思えば成功ですし、自分が失敗と思えば失敗です。
年収一億円達成。多くの人からすれば、それは大成功かもしれません。しかし、その人が目標を2億にしていたら達成率は50%。成功とは言えませんね。
それをより心理的な視点で見てみると、物理的な成果は上がっていたとしても、

  • 自分が100%満足できない
  • 心配や不安がずっとつきまとっている

というような状態は、成功している状況と言えるでしょうか。
つまり、成功とは、最終的には自分で納得し、幸福感というラストピースをはめることができて初めて完成するものかと思います。
客観的には大きな問題がないような場合でも、不安がつきまとうということはよくありますね。そんな時、このデール・カーネギーが説いている心配を取り除く方法を試してみることは極めて有用だと思います。
そうすることによって、「あれ? これってもう大成功しているじゃないか?」とフッと気づけることがあるかもしれません。
自ら器用に心理状態をコントロールことができる人は、そう多くないと思います。ましてやストレスマックスの日本社会において、心のゆとりを持つことができずに、近視眼的になってしまうことも多いですね。
ぜひゆっくり深呼吸して、冷静に状況をみることに努めたいものです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。
『道は開ける』は、かなりのボリュームの大作ですが、この記事で少しでもカーネギーの説に関心を持った方は、ぜひ、書籍をお読み頂くことをおすすめします。ページ数の多い本ですが、さすがにロングセラーの名著。読む価値は十分にあると思います。
以上、カーネギー『道は開ける』から成功のヒントを掴むでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。