春という季節を味方につけるための諺(ことわざ)8選

寒い冬から暖かくなっていく春の季節は、日々の気温差も激しく、体調管理が難しい季節でもあります。
そして新しい生命の躍動を控えた希望に満ちた季節でもあります。
本記事では、自然界の生命の息吹を生活に取りこんで、しなやかに生きていく諺(ことわざ)8選をご案内致します。

春という季節を味方につけるための諺(ことわざ)8選

 

伊達の薄着(だてのうすぎ)

やせ我慢をして格好をつけたがる人のことを皮肉ったことわざです。同義語に「伊達の素足」というのがありますが、俳優の石田純一さんを彷彿とさせる
やせ我慢そのものが格好良いとも言えます。素足でいられるのも、薄着でいられるのも普段から鍛錬して体調管理に気をつけているから出来ることです。
春先は三寒四温といって、暖かい日と寒い日が交互にやってきます。そして少しずつ春らしくなっていきます。このときの寒さも花冷え、北海道ではリラ冷えと言います。
咲いてしまった花たちも身震いしそうな寒さなのです。花も人も戸惑いながら少しずつ春を迎えます。軽快な薄着はスリムに見えてお洒落でもあります。
ミニスカートも結構なものですが、冷たい風にさらされた素足は乾燥し、皮膚トラブルの原因となります。気象情報と照らし合わせたコーディネートを心がけましょう。
とは言っても、昔はヒートテックはありませんでした。ヒートテックを考案した方は偉い!

春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)

中国の唐の時代の詩人、孟浩然の詩の一節。春はポカポカして暖かいものですから、気持ち良く寝入ってしまい、ついつい朝寝坊をしがちになります。植物たちは芽生えと開花の季節、動物たちは繁殖の季節、人間の身体においてもさまざまな機能が覚醒してくる季節です。
こんなときに風邪を引いたりします。体調管理にもっとも注意の必要な季節です。そのためには充実した睡眠が必要です。眠いときには寝ましょう。覚醒していく機能に循環が間に合わないため、身体が睡眠を欲しているのです。眠れるときに眠りましょう。でも車の運転中や午後の授業中、大事な会議のときに眠るのはご法度ですよ。

胡蝶の夢(こちょうのゆめ)

胡蝶とは蝶のこと。中国宋の時代(960~)の哲学者、荘子の斉物論(せいぶつろん)からの引用になります。荘子は自分が蝶になる夢を見ます。
ところが突然夢から醒めてしまい、実は自分は蝶であり、今こうして荘子という人間であることが夢なのではないかと疑問を持つようになります。このことわざは、夢と現実の区別がつかなくなることを言っています。夢と現実の区別がつかなくなるほど、生きるということは儚いものなのです。だからこそ意義ある時間であるように、大切に過ごしたいものですね。

春雨だ濡れて行こう(はるさめだぬれていこう)

春雨とは、傘を差さなくてもいいような細やかな雨です。この言葉は、幕末の時代劇に出てくる月形半平太が絹のような優しい雨の中で放ったセリフです。
春の長雨というくらい、雨の日が多いのも春という季節です。農家さんにとっては豊作の兆しでもあり、たっぷりの雨水を蓄えた田畑が多くの収穫をもたらします。「春に雨が多いと世の中が好い」と言われます。
温暖な気候ですので、雨に濡れても冷たいとは感じません。駅からバス停まで、あるいはお店を出て道路を横断するときなど、少しぐらいならとカバンを頭の上に乗せて駆け出していくことでしょう。ちょっと粋な、春の風物詩ともいえる光景です。でもゲリラ豪雨にはご注意を!

利休鼠の雨(りきゅうねずみのあめ)

春の雨は繊細で緑色がかって見えます。緑色がかって見えるのは植物たちの新芽の息吹がけぶるからでしょうか?それとも緑色がかった雨が降り注ぐことによって植物が緑色になるのでしょうか?利休鼠とは、緑がかった灰色のことを指します。抹茶の色を源とする染色名です。
16世紀の茶道界の聖人、千利休(せんのりきゅう)にちなんで命名されました。利休という言葉は「利休箸」「利休好み」「利休焼き」など、侘びさびのシブいものを表すときに広く用いられます。利休鼠の雨とは春のけぶるようなシブい雨、旺盛な生命活動の前奏曲のような雨のことを言います。ちょっと浴びてみたい雨ですね。

春の晩飯後三里(はるのばんめしあとさんり)

春の日は暮れそうで暮れない「春日遅々(しゅんじつちち)」という言葉もあります。晩御飯を食べた後でも、あと三里は歩けるほどです。健康ダイエットにはもってこいの季節です。
三里(12km)までは大変ですので、少しくらいなら歩いても良いかもしれません。心地良い春の風を感じながら夜桜見物もオツなものです。ただしトラブルに巻き込まれないよう防犯対策をしっかりと行ってお出かけください。

六十にして耳順う(ろくじゅうにしてみみしたがう)

三月三日を耳の日と呼ぶことになったため、この言葉が春という季節の範疇に入ることになりました。中国春秋戦国時代の思想家、孔子(紀元前552~479)の論語からの引用になります。60歳になると、いちいち文句も言わずに他人の話に耳を傾けるようになるということです。そんな60歳の方もいれば、そうでない方もいます。超高齢化社会になり、頑なで血気盛んな高齢者も少なくありません。そんな方が権力を握ってしまったらどうなるのでしょう?
今こそ、孔子の「論語」を読み直したいものです。論語では「七十にして己の欲するところに従いて、その矩(のり)を超えず」と締めくくられます。70歳になったらあらゆることに対する分別がつき、自分のやりたいようにやっても宇宙そのものの法則に従って自由の境地に至るということです。こんな風に、心も身体も健やかに歳を重ねていきたいものです。

花咲く春にあう(はなさくはるにあう)

長いあいだ不遇でいた人が世間に認められて世にでるたとえのことを言います。平安時代中期の歌人である凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の「拾遺集」の「三千年(みちとせ)になるてふ桃の今年より花咲く春にあひにける哉(かな)」という歌からの引用になります。
寒い静かな冬を超え、色鮮やかな花が咲き誇る美しい春は、自然の集大成とも言えるでしょう。日々努力して夢を追いかけている方は、春に咲きほころぶ美しい花のようになりたいものですね。

編集後記

いかがでしたでしょうか?
春という季節は、いろいろな物や事象が更新される季節です。生命の息吹の始まりの季節です。自然の中に生きる動物のひとつとしての人間も同様、戸惑いながらも更新していかなければなりません。更新するということは若返ること。毎年春を迎えるたびに若返って成熟していく、そんな生き方の参考になれたら幸いです。
以上、「 春という季節を味方につけるための諺(ことわざ)8選 」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。