夏を涼やかにやり過ごす諺(ことわざ)7選

毎年観測史上初めてを更新し続ける気象情報。もはや35℃の猛暑日は珍しくなくなりました。エアコンによる室内冷却は心地良いものですが、室外機による温暖化を加速しているのが現実です。心涼やかに過ごせればいくらかの冷却効果はあるかもしれません。言葉による心の冷却には、室外機は必要ありません。

夏を涼やかにやり過ごす諺(ことわざ)7選

 

目には青葉山ほととぎす初鰹(はつがつお)

初夏になると必ずといっていいほど引き合いに出される山口素堂(1642~1714)の俳句です。この季節にもっとも瑞瑞しいものをあげています。太陽の光りを透かすまぶしい新緑、ヤマホトトギスという日本女性のような凛とした花、そして味覚の王様初ガツオ。これだけの旬のものを取りそろえれば、健やかな一年を過ごせることでしょう。「青葉は目の薬」という言葉があります。医学の発達していなかった時代、生活体験の中から生まれた言葉です。

ほおずきと娘は色付くと虫が付く

浅草のほおずき市は7月9日、10日。ほおずきの軽快な朱色が涼やかさを演出してくれます。7月上旬と言えば、本来のほおずきはまだ青いのです。やがて色付くにつれ、いろいろな虫が集まってきます。女性も同様です。少女から大人の女性へと丸みを帯びたプロポーションが色っぽくなってくると、いろいろな男性から声をかけられます。好い人もいれば好くない人もいることでしょう。より美しい大人の女性へと成長するために、男を見る目を養うことは大切です。

うりざね顔に富士額

西瓜や南瓜の瓜類は夏野菜、うりざね顔とは下ぶくれの面長の顔のことです。富士額というのは富士山のような形の額で、平安の昔から江戸時代にいたるまでの日本女性の美人の典型と言われてきました。明治以降、欧米の文化と食生活に感化され、美意識も変わってきました。顎の尖ったシャープな顔立ちで大きな瞳とすっきりとした鼻が一般的には美人と言われるようです。あくまでも一般的なお話、美しさは内面から醸し出すものです。活動的な夏という季節にどれだけ自分を磨けるか!大切な時間です。
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夕涼みよくぞ男に生まれける

松尾芭蕉の第一の弟子である室井其角(むろいきかく)(1661~1707)による俳句。風呂上りの夜、男はフンドシ一丁でも平気なのですが、女性はそうはいきません。夕涼みとは、現代のような寝苦しい熱帯夜とは無縁だったかもしれない時代のお話です。また現代では、女性の露出のほうが勝っているところもあり、男性諸氏は目のやり場に困っている方も少なくないようです。くれぐれも紫外線にはお気を付けて!

水入らずの仲

「水と油」という絶対に混じり合わないことを言いあらわすことわざに対し、極めて親密な仲を言います。油というものが親しさ、水が他人を表します。油のギトッとした親密さというものも、なかなか暑苦しいお話です。できるだけ涼しいところでイチャイチャしましょう。

カラスの行水

「ホントにお前風呂に入ったのかい?」なんて言われる方もいらっしゃるかもしれません。入浴時間が短いことの例えとして用いられる諺です。カラスが水溜まりや池のほとりで、ちょっちょっと水浴びをしている光景を目にすることがあります。忙しいカラスのこと、水浴びごときに時間を割いている暇もないのかもしれません。だからカラスは、あんなにまっ黒なのです。汗をかく夏のこと、シャワーだけで済ませたい日もありますが、ときにはぬるめのお湯にゆっくり浸かって身体をほぐすことも大切です。

年寄りの冷や水

年齢的な衰えを考えずに、無理をすることを自虐的に言い表したことわざです。高齢者の方がいきなり冷たい水を飲むと、ヒートショックと呼ばれる症状を引き起こし、死に至るケースすらあります。年々更新される夏の最高気温を考えると、かき氷や冷たい水をがぶ飲みしたくなるのも山々です。しかし一時的な冷却はかえって暑さを募らせるもの、ほど良い水分補給と冷却で、夏をやり過ごしましょう。
いかがでしたか?
諺(ことわざ)とは、生活の中からにじみ出て来たものです。昔の人々は、水やささやかな風を使ってうまく暑さをしのいでいたようです。風情という言葉がまさにピッタリの昔の知恵、涼やかに過ごすための一助にでもなれば幸いです。