
馬と戯れることが好きな方へ。
馬と人間がともに行うスポーツや競技に挑戦してみたいですよね。
ここでは、馬と人間が一緒になって楽しめるいくつかスポーティーな競技をご紹介いたします。
馬と一緒に楽しむ競技
<ホース・スポーツと馬術競技>
人間が馬の背中を拝借して楽しむ娯楽全般を、ホース・スポーツと呼びます。
乗馬は老若男女がそれぞれの求めるレベルや強度に応じ、多種多様なスタイルでに楽しめる奥深く趣あるスポーツです。
そしてスポーツである以上、当然馬術にも『競技』が存在します。
もちろん誰かと何かを競わなくとも、馬の背に揺られ彼らの温もりを感じて過ごす時間はそれだけで楽しく至福の癒しでありますが、ある程度上達すると『試してみたい』と思うのもまた人の性。
そこで今回は、比較的都市近郊にある乗馬クラブでチャレンジできるイギリス式馬術『ブリティッシュ』※1から、いくつかの競技をご紹介します。
ちなみに競馬と同じくポロも英国発祥ですが、ここでは割愛します。
<ジムカーナ―>
決められた経路を可及的速やかに回るレクリエーション的競技。
流派を問わず速足・駆け足・停止・右左折といった基本的な操作さえできればOK。
コースによっては60〜80㎝程度の障害物や、地面に転がした横木跨ぎが入ることもあり。
障害物が小さいため、落下や拒否による減点が生じにくい分、ほとんどの場合タイムで決着します。
娯楽的な競技ですが、経路の記憶・ライン取り・スピードと操作性のバランスなど、プレ障害飛越競技として学ぶべきことが多々あります。
場慣れも含め、デビュー戦にはジムカーナ―を選ぶことを勧めます。
駆け足で回った大きな馬よりも、速足での究極小回りに徹した小柄な馬が早いなどの大番狂わせがあるのも見どころです。
<軽乗(けいじょう)>
馬事公苑のキッズチームに入ると、最初の数年必ずやらされるのがこれ。
調馬索※2を付け、輪を描いて走る馬の背中の上で両手を離して立ち、ポーズを決め、飛び降り飛び乗り、目まぐるしくポジションを変えていきます。
上級者ともなれば、数人一組となって馬の上で組体操までこなします。
今となってはその単語を知る者も少ないであろう『曲馬団』を思わせるアクロバティックな演技は、見た目にも楽しく華やかなものです。
日本では知名度の低い競技ですが、馬術の本場であるヨーロッパやショー好きなアメリカでは大人の競技者も数多くいます。
身体が柔らかく恐怖心を抱きにくい子どもの内に軽乗を学ぶことは、バランス感覚や体幹を鍛える上で有意義でしょう。
<障害飛越>
コース内に設置された障害物をその名の通り飛び越えるオリンピック競技。
障害物の数・高さ・種類は競技のレベルで異なり小~大まであります。
競技形式は、落下・拒否・巻乗り※3・タイムオーバーによる減点方式『標準競技』と、コースを回る速さのみを競う『スピード&ハンディネス』の二種。
いずれも拒否・巻乗りは二回で失権。
経路違反・落馬・45秒以上の反抗は一回で失権。
今が極度の緊張状態になるため、案外多いのが経路違反です。
普段ならば造作もなく記憶できることが、頭真っ白になってわからなくなってしまいます。
興奮しきった馬が走り回って45秒もあるあるです。
馬の邪魔をせず気持ち良く飛んでもらうこと、そして、己の制御下に馬を置くこと。
この両立が大切です。
<馬場馬術>
60×20mの平馬場で、決められたコースを辿りながら規定演技をするオリンピック競技。
減点・タイムと採点基準が誰の目にも明らかな障害飛越がスピードスケートならば、技の正確さや人馬の姿勢の美しさが基準となる馬場馬術はフィギュアスケートといったところでしょう。
ただし、演技順序の誤りや時間超過は機械的に減点されます。
障害飛越のような派手さはありませんが、ひとつひとつの動きに対する要求・美意識が上級者になるほど凄まじく、彼らは馬の首の曲がり具合からハミの受け具合まで妥協しません。
芸術性が高い競技だけに、人馬の容姿の美しさまでもが問われるシビアな世界です。
演技映えの良さからサラブレッドよりも中間種が好んで使われます。
※1 ブリティッシュ
英国式馬術。
装飾性のない軽くシンプルな馬具を用い、膝から下を馬の腹帯(鞍を固定する帯)より後ろに引く騎乗スタイル。
※2 調馬索
空馬(人を乗せていない状態)調教時に馬を繋いで走らせるロングリード。
初心者の練習時に安全対策として付けることも多い。
ただし、その気になれば馬は人間一人など軽く引きずって走り回れる上、その場で立ち上がることもあるため過信は禁物。
※3 巻乗り
小さな円を描いて馬を操作すること。
大きな円を描くのは輪乗り。
最後に…
ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。
ぜひ一度は体験してみたいものですよね。まずはジムカーナ―からでしょうか。きっとかけがえのない思い出になることでしょう。
以上、『馬と一緒に楽しむ競技』でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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