コガネムシは金持ちだ?この童謡に隠された衝撃の真実

コガネムシは金持ちだ

♫コガネムシは金持ちだ〜〽
誰もが聴いたことのあるこの歌。今回はこの歌の意外な真相について掘り下げていきます。
肩の力を抜いてお気軽にお読み頂ければ幸いです。

コガネムシは金持ちだ?この童謡に隠された衝撃の真実

 

1.歌の紹介

歌の紹介
作詞:野口雨情(のぐちうじょう)
作曲:中山晋平(なかやましんぺい)
発表年:大正十一年(1922年)

黄金虫は金持ちだ
金蔵建てた蔵建てた
飴屋で水飴買つて来た

黄金虫は金持ちだ
金蔵建てた蔵建てた
子供に水飴 なめさせた

この歌は、雑誌『金の塔』(大日本佛教コドモ會) 第二巻第七号にて発表されました。

 

2.童謡「黄金虫」の真相

真相
黄金虫といえばあの丸っこい昆虫を思い浮かべる方も多いかと思いますが、この「黄金虫」実はゴキブリ[チャバネゴキブリ]だといわれているのです!
この唄の作詞家である野口雨情の故郷、茨城県のある北関東ではゴキブリのことを「コガネムシ」または「カネムシ」と呼ぶ方言があるそうです。
その由来とされているのは、メスのゴキブリは産卵前に、お腹の下に卵鞘(らんしょう)と呼ばれる卵の入った袋を持ち歩くようになるからで、これがガマ口財布に似ていることからそう呼ばれています。

また、別の説としてタマムシである、という意見もあります。
これは黄金虫=ゴキブリという説に比べてギャップやインパクトに乏しいため、前者の説の方が有名ですが、実際、茨城県ではタマムシのことを「コガネムシ」と呼ぶ方言があります。
タマムシは一般にカネムシまたはコガネムシといわれ、いわゆる玉虫色で美しいところから、昔は貴重品のように扱われ、財布の中に入れておくとお金が貯まるとか、箪笥の中に入れておくと虫がつかないなどと言われていたとのこと。
タマムシ
茨城県を【北関東】とひとくくりにしたゴキブリ説よりも、「茨城県」と断定してそこの方言で「コガネムシ」と呼ばれていたタマムシ説の方が信憑性は高いように思いますが、やはりゴキブリ説の方がインパクトが強く、面白おかしく取り上げやすいのは否めないですね。

 

3.この歌の解釈 その1(ゴキブリ説)

解釈1
ゴキブリは家の中、特に食材の周りに出没することが多いですね。つまり食べ物のある所=裕福な家に現れるということです。
この歌が発表された大正時代は食べる物も決して余ってはおらず、貧困者がまだ多い頃でした。黄金虫(ゴキブリ)がやってくるような豊かな家庭を築き、子どもに飴の1つも食べさせてやりたい…という親の切なる気持ちや憧れがこの歌の裏側には潜んでいる、という見方ができます。

 

4.この歌の解釈 その2(タマムシ説)

解釈2
仮に黄金虫=タマムシだったとして、前述の歌詞の中に出てくる「水飴」というワードに対し、あまり関連性がないように思えます。
そこで、少し強引かもしれませんが、「玉虫厨子(たまむしのずし)」という国宝にもなっている非常に有名な仏教工芸品へと話を広げてみましょう。

玉虫厨子

この玉虫厨子の装飾にタマムシの羽が使用されていて、その工芸品を「蔵」と見立ててみると、筋が通ってくるのです。
玉虫厨子の漆絵の装飾画の部分には、蒔絵という技法が使われています。その技法の中には、消粉蒔絵(けしふんまきえ)という、金箔を水飴で練って作る消粉を用いた蒔絵があるのだそう。
実際に玉虫厨子にこの技法が使われているかは定かではなく、作詞者の野口雨情がこの消粉蒔絵という技法を知っていたかどうかを確かめる術もありませんが、「玉虫厨子」をキーワードにするとこの歌詞の「蔵」「水飴」がきれいに結びつくのです。

金蔵(玉虫厨子)を作るために水飴を買ってきた。
その水飴を子供になめさせた。

という歌だと見なすことができるのです。

 

5.関連動画

「こがねむし koganemusi 平井英子」

 

あとがき

ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。

今回は雑学のような記事でしたが、きれいな昆虫を豊かさの象徴に例えるケースは、日本に限らず多くの国で見られます。
豊かさを願う気持ちは世界共通であり、豊かさは安心を産み出します。
私もいつか、立派な金蔵を立ててみたいものです。

以上、「コガネムシは金持ちだ?この童謡に隠された衝撃の真実」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。