世界最高峰のイスに座りたい!

世界最高峰のイス
イスは西洋文化が入ってくるまでの長い間、日本人にとっては特別なモノ、特別な人が使うモノと捉えられていました。
「社長のイス」「大臣のイス」のように、イスが特別な地位を表す慣用句として使われるのもその名残と考えられており、私たちにとってイスは日常的なモノであり、同時に特別な感じを思わせるモノなのです。
ここでは、世界でも最高峰とされるイスを取り上げて参ります。

世界最高峰のイスに座りたい!

 

1.lounger

最初に紹介させていただくのは「lounger」と名付けられた、アルミニウムとグラスファイバー製のイスです。

lounger
2007年10月にロンドンのChristie’sのオークションにかけられ、160万ドルから240万ドル(1億6000万〜2億4000万円)ほどの値がつくだろうと予測されていました。
実際の落札価格については不明ですが、とても高額で落札されたであろうことは想像に難くありません。

気を抜くと、お尻が滑ってしまいそうなデザインですが、デザイナー『マーク・ニューソン』がアルミニウムをキーワードとして、想像力をふくらませ、デザインした「流動性のアルミニウム形」のイスを、イギリス大衆紙『Sun』のヘッドラインで、「100万ポンドの安らぎ」と称していたようです。

lounger(ラウンジャー)というイスは元々、一般にプールサイドやビーチサイドなどの屋外で、日光浴などを楽しむことを目的として用いられるチェアです。
今回取り上げた「lounger」はくつろぐには少々難しそうではありますが、芸術的価値の非常に高い文化的なイス、という位置付けで後世に受け継がれるものなのでしょう。

 

2.ハリー・ポッター執筆のイス

続いてご紹介するイスは、多くの方がご存知の『ハリー・ポッター』に縁のあるイスです。

2016年4月6日、イギリス人作家J・K・ローリングさんが人気児童小説『ハリー・ポッター』を執筆した際に座っていたイスがニューヨークの競売にかけられ、39万4000ドル(約4300万円)で落札されました。
ハリー・ポッター
このイスは1930年代にオーク材で作られたこの質素なモノで、当時シングルマザーだったローリングさんが、英スコットランドのエディンバラの公営住宅で暮らしていた時にもらい受けたもので、ふぞろいの4脚のうちの1脚です。
ローリングさんは、このイスで1997年に出版された『ハリー・ポッターと賢者の石』と、1998年『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の2作品を執筆したのです。
おそらく、後世に残るであろう世界的名作がこのイスに座った作者から産み出されたということで、まさに歴史の証人的なイスなのです。
4300万円の価値にも納得せざるを得ません。

競売を主催したヘリテージ・オークションズによると、このイスには作者のローリングさんによって「きれいに見えないかもしれないけれど、見た目で決めつけないでくださいね」「私はこの椅子に座ってハリーポッターを書いたのです」とペインティングされているということです。

 

3.CRAY-1

次に紹介する「イス」は、正確にはイスではありません。「世界一高価な椅子」と呼ばれていたソレは、 1976年に納入されたスーパーコンピューターで『CRAY-1』と名付けられました。
cray-1
見た目はご覧のように円柱状の椅子そのものでございます。

CRAY-1(クレイ ワン)は、シーモア・クレイという人物が率いるクレイ・リサーチ社が設計し、当時世界最高速を誇っていました。
そしてこのCRAY-1の当時の価格は、790万ドルでした。その時のレートが1ドル約280円でしたので、換算すると22億円強という桁外れな価格ではありますが、スーパーコンピューターということであれば現実的な額だと思われます。

参考までに日本が誇るスーパーコンピューター『京』のお値段は、構築費が1120億円とCRAY-1の値段とは桁違いではありますが、当時とは物価が異なるためどちらが高いとは言い難いところです。
しかしながら、いずれにしても大変に高額であることは間違いありません。
補足ではありますが、このスーパーコンピューター『京』、運用費が年額80億円もかかります。
その内訳ですが、

  • 電力代22~29億円
  • 計算保守費23~32億円
  • 運営費12.6億円
  • その他保守費14~17億円

これはもう、個人レベルで所有するものではありませんね。

 

あとがき

ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。

家具には実用的な意義と、芸術的意義が含まれていると筆者は感じているのですが、中でもイスは形の自由度が高く、アートを感じさせるものが多数あります。
ここでは、高額なイスに特化してご紹介しましたが、別の機会にはまた違った角度からイスの魅力をお伝えできればと考えています。

以上、
「世界最高峰のイスに座りたい!」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。