アウトドア派の人にとって、最強のアイテムと言えるキャンピングカー。それを手に入れて、贅沢な陸の旅へ出かけませんか?
今回は、キャンピングカーの知っておきたい基礎知識をご紹介します!
知っておきたい キャンピングカーの基礎知識3点
1.キャンピングカーのタイプ
キャンピングカーには、実は多くのタイプが存在しております。
以下にその種類を挙げます。
- フルコンバージョン(通称:フルコン)
- セミ・フルコンバージョン(通称:セミフルコン)
- キャブコンバージョン(通称:キャブコン)
- バンコンバージョン(通称:バンコン)
- バスコンバージョン(通称:バスコン)
- トラックキャンパー(通称:トラキャン)
- 軽キャンピングカー(通称:軽キャン)
上記リストで多用されている『コンバージョン』という言葉には、「変換、転換、交換」などの意味があります。
「1」のフルコンは、専用のシャシー(車体におけるエンジン、可動部、下部フレーム)に、室内のすべてを架装メーカーが製造したものです。
このようなタイプです。
「2」のセミコンは、バスボディの運転席より後部にフレームを組み、ハウスボックスを床下より設計し、室内を一体化して設計・製作したものです。
わかりやすく分けると、運転席も含めて設計しているのが「フルコン」、運転席から後ろの車体を設計・一体化したのが「セミコン」ということになります。
「3」のキャブコンは、キャブ付シャシーにキャビン(居住スペース)を架装メーカーが製造したものです。
上の写真がキャブ付シャシーで、この運転席の後ろに居住空間が装備されたタイプをキャブコンと呼んでいます。
「4」のバンコンは、バン・ミニバン・ワゴンなどをベースに架装メーカーが改造したもので、キッチン、サニタリー、就寝スペースなど、車内架裝に重点を置いたものです。
「5」のバスコンは、バス、マイクロバスのベースをそのままに、内装を中心にキャンパー仕様にしているもので、見た目はバスそのものです。
「6」のトラキャンは、ピックアップトラックの荷台に搭載するキャビンを架装したもので、脱着可能なのも特徴です。
このように、見た目から車体部分と居住部分が別物であることがわかります。
そのため、普段は上部を取り外して走行できるのが長所です。
「7」の軽キャンパーは、その名の通り、軽自動車や軽ワゴンをベースにキャンピングを目的として設計・製造したものです。居住スペースは狭いものの、一番お手軽なキャンピングカーであることは間違いありません。
この写真の軽キャンパーは、後部のシェルを引き出して、ルーフアップウィンチで屋根を上げることで、居住スペースを拡張します。このように、狭いというデメリットを解消している車種も発売されています。
ほかにも、居住スペースが分離していて、牽引して移動するタイプのものもありますが、今回は割愛します。
一口にキャンピングカーと言っても、これだけ多様な種類が存在することがお分かりいただけたかと思います。
2.キャンピングカーの定義
では、このようにさまざまタイプが存在するキャンピングカーですが、その定義はどういうものなのでしょうか?
キャンピングカーの登録番号(ナンバープレートの番号)は、俗に言う「8ナンバー」であることが多いです。
8ナンバーとは、百の位が8になっているものを指しており、さまざまな種類の特種車両であることを示しております。
たとえば、タンクローリー、救急車、消防車、パトカー、霊柩(れいきゅう)車が特殊車両に分類されます。
つまり、8ナンバーのキャンピングカーは特殊車両ということになります。
しかし、キャンピングカーとして「8ナンバー」を取得するためには、法律に定められた「構造要件」を満たしていなくてはなりません。
- 就寝設備
- 水道設備
- 炊事設備
この3つの条件を満たす必要があります。
就寝設備
キャンピングカーの場合は、「乗車定員」とは別に「就寝定員」というものがあります。
「就寝定員」には、きちんとサイズが定められており、「1名あたり 最低でも180cm×50cmの大きさがあり、完全に平らな状態にあること」が、条件です。
かつ、キャンピングカーとして、「乗車定員の1/3以上の就寝設備が確保されている」状態でないと認められないのです。
たとえば、乗車定員が8人の場合は、3人分以上の就寝設備を確保していなければならなりません。
水道設備
キャンピングカーであるためには、「10リットル以上の給排水の貯水能力があること」が、条件です。
トイレ、シャワー、キッチンを装備している場合、水はなくてはならないものなので、この設備がとても重要なことは誰の目にも明らかですね。
炊事設備
炊事設備とは、その名の通りコンロなどで炊事ができるということです。
さらに、炊事のスペースにも条件があって、「コンロ周辺の天井高は1600㎜以上の空間があること」が義務付けられています。
他にも、細かい条件があるのですが、これらの設備がないと、8ナンバー・「特種車両」のキャンピングカー登録はできません。
しかし、最近ではキャンピングカーの中でも、「8ナンバー」ではないものも出てきています。
たとえば、「眠れればいいけど、炊事はしない」というユーザーであれば、炊事設備は必要ありません。
そういう人のために、条件を満たしてはいないものの、キャンピングカーとして寝泊りできるタイプのものもあるのです。
その場合は「8ナンバー」ではないものの、ベースになった車両によって貨物車(4ナンバー)や乗用車(車のサイズや排気量によって、3ナンバーや5ナンバー)として登録されます。
また、軽キャンパーの場合は、8ナンバーであることは問われないそうです。
つまり、「8ナンバー」の条件を満たしていれば、法律的に「キャンピングカー」と言えるものであり、居住性も優れたものと言えるでしょう。
3.税金等ランニングコスト
前述の2にも関連してくるのですが、「8ナンバー」では車検が2年に一度ですが、たとえば「特殊車両」としての条件を満たさないものは、そのベースとなる車両によって1ナンバーや4ナンバーになる場合もあります。
「1および4ナンバー」は、新車時の2年を除き、1年ごとの車検です。
ただし、1年ごとの車検の場合は価格も変わりますし、一概にどちらが高額とも言えません。
自動車税に目を向けると、1ナンバーでは年に1万円程度ですが、8ナンバーでは、車種にもよりますが4〜7万円と高額になります。
しかし、高速道路の使用量についてはその値段設定が逆転し、8ナンバーでは普通車と同じ扱いですが、1ナンバーや4ナンバーでは貨物車両扱いとなり、かなり高額になるのです。
年間にかかる費用についてまとめると、法律的に「キャンピングカー」と言える8ナンバーの場合は
- 2年車検
- 自動車税は4〜7万円
- 高速道路使用量は普通車と同じ扱い
自動車税が少し高いのですが、キャンピングカーを所有する喜びの前ではあまり気にならないかも知れないですね。
そして、燃費についてはさまざまな機能を備えているため重量も増えるので、その分、普通車に比べると悪いところがあるかも知れません。ですが、年々技術も向上し、少しずつ改善されているので、今後は燃費のよいキャンピングカーが現れることを期待しましょう!
あとがき
今回はキャンピングカーについての基礎的な内容だけをお伝えしましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
キャンピングカーに興味を持ったり、購入されるきっかけになれば光栄です。
以上、「知っておきたい キャンピングカーの基礎知識3点」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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