自家用ジェットを所有するための基礎知識 7つのポイント

自家用ジェットを所有するための基礎知識 5つのポイント
皆様は「自家用ジェット」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
残念ながら、ごく一部のセレブを除いて、日本においてはまだ一般的ではないようです。
多くの人にとって非日常的に思える、自家用ジェット機がある暮らしとは実際どのようなものなのか、ご紹介します。

自家用ジェットを所有するための基礎知識 7つのポイント

 

1.自家用ジェットとは?

自家用ジェットとは
日本で広く知られているいわゆる「自家用ジェット」は、そのまま「プライベートジェット」と呼ばれています。
しかし、プライベートジェットという言葉を使うのは、日本だけのようです。
海外では「プライベートジェット」という呼び方はあまりしません。遊びで使うことは少なく、圧倒的にビジネスで利用する機会が多いため「ビジネスジェット」と呼ばれています。

超富裕層がプライベートジェットを買う理由は、「楽をしたいから」や「見栄を張りたい」からではありません。
億単位の仕事をし、かつ超多忙な人にとっては、運転している時間も、電車の乗り換えの時間も無駄にはしたくないのです。
一秒でも早く仕事場へ移動しなければならず、移動中もプライベート空間を確保するためには、ビジネスジェットが必要なツールとなるのです。

 

2.ビジネスジェットの価格

自家用ジェット価格
ビジネスジェットのお値段ですが、言わずもがな。大変にお高いです。
ガルフストリーム(Gulfstream)という航空機メーカーの価格ですが、種類もG150からG650まであり、日本円にするとだいたい20、30億円~50億円ほどするようです。
中古機の販売も行っているとのことですが、億単位の用意が必要であることに変わりはないでしょう。

🔗Gulfstream公式HP

また、カナダのボンバルディア社が、世界最高額となるビジネスジェット「Global 7000」を2016年から販売すると発表しました。そのお値段は約6500万ドル(約53億円)で、10人乗り。

先に触れた機種も含め、いくつかご紹介します。
※価格情報については表示されていない場合が多く、確認できたものについてのみ表記します。

ガルフストリームG550

  • 価格:約50億円
  • 座席数:14〜18席
  • 航続距離:12,500km
  • 最高速度:885km/h

ボンバルディアBD700グローバルエクスプレス

  • 価格:情報なし
  • 座席数:13〜18席
  • 航続距離:11,930km
  • 最高速度:950km/h

セスナ・サイテーションソブリン

  • 価格:約20億4000万円
  • 座席数:9〜12席
  • 航続距離:5,273km
  • 最高速度:848km/h

景気のよい企業が所有することは十分に考えられるのですが、このようなビジネスジェットを個人で所有できる人は、いったいどの位の収入があるのでしょうか?
個人での購入が難しくても、共同でビジネスジェットを所有するフラクショナルオーナーシップという方法もあります。 複数人で共同所有することで、個人所有より少ない維持費でビジネスジェットを保有することができるとのこと。
少しだけ可能性が広がった気がします。

 

3.維持費

維持費
ビジネスジェットは購入費用もさることながら、維持費も非常に高額です。
機種や運航形態にもよりますが、年間の維持費は約2億円~3億円もかかるといわれています。

その内訳をみると

  1. 燃料代
  2. 乗務員の給料
  3. 駐機代
  4. 保険料
  5. 整備費用
  6. 定期点検費用

などの雑費と、日々ジェット機に乗っていない場合でも、ただ所有しているだけで、さまざまな費用が必要です。

私が把握している範囲で、それぞれの費用の内訳を紹介すると

燃料代

これは機体の大きさや燃費性能にも左右されますが、プライベートジェットの大きさであれば、おおよそ10,000kmあたり20万円程度といわれています。

乗務員の給料

プライベートジェットを購入しても、車のように自身で運転、操縦をすることはほとんどなく、大抵はパイロットを雇用し移動することになるでしょう。
年間、定期的に稼働させるとした場合、乗務員にかかる費用は

  • パイロット:2,000〜2,500万円
  • フライトアテンダント:400〜500万円

フライトアテンダントを1名だけにした場合でも、合計で3,000万円の費用がかかる見込みとなります。

駐機代

駐機にかかる費用は、岡山空港で年間契約を行った場合で、100万円/月という価格になります。
つまり、年間で1,200万円の駐機代が発生するというわけです。

整備費用

空の旅では、安全に対して最善を尽くすことは必須です。
そのため、日々の整備も厳密に行われます。
車の場合、エンジンが止まっても動かなくなるだけですが、飛行機の場合はエンジンが止まってしまえば、それはすなわち墜落を意味します。そうなれば、プライベートジェットにかかった費用も、所有するに至った素晴らしき人生も一瞬で消えてしまうのです。
事故、故障の確率を100%に限りなく近く減らしていくために、優秀な整備士は欠かせない存在です。
整備士を雇用する費用は、年間で1000万円ほどといわれています。

定期点検費用

整備と少し近い要素になりますが、定期点検もプライベートジェットの管理には欠かせません。
劣化、摩耗した部品を発見し交換するのはもちろんですが、飛行機の部品の中には定期的に飛行していないとがダメになってしまう物があり、利用者がいなくても飛ばす必要があります。
定期点検には、その費用も含まれています。
その金額は年間3,000万円と、プライベートジェットの維持費の中でも大きな割合を占めています。

その他にもさまざまな費用が加算され、年間2億円前後かかるといわれています。

ビジネスジェットを個人で所有するには、継続して莫大な収入がないと成り立たないのは明白。
そういったことからも、ジェットを複数人でシェアするというのは大変有効な手段だと思われます。

 

4.チャーターした場合の費用は?

チャーター費用
購入とまでいかなくても一回くらい乗ってみたい、時間を有効に使いたい。一度だけでも贅沢を味わってみたい…。
そんな人にはチャーターがオススメです。
最もお手軽なプランでは、お一人につき、167,000円(6名様参加)でビジネスジェット(この場合はプライベートジェットの方が適切な言い方でしょう)を体験できます。
発着地点が決まっているので自由度は低いのですが、それでもこのジェットの醍醐味を味わうことができるので一度は試してみるのも良いかもしれません。
詳細は以下のサイトからお確かめください。
🔗ジャパンプライベートジェット公式HP

 

5.普及台数

普及
日本では、ビジネスジェットの使用はまったくもって一般的ではありません。
アメリカではおよそ20,000機が運用されているのに対し、日本ではわずか60機足らず。。。
なぜ、こんなにも差があるのでしょう?
国土の広さも大いに関係があるとは思いますが、アメリカの富豪は日本の富豪とは比較にならない桁外れの資産を所有している人が多くいます。また、自家用のジェットを日本人は余暇に使うイメージがあり、海外では仕事のツールというイメージが一般的だからというのも理由のひとつでしょう。
自家用ジェットを受け入れられるインフレも整っていない日本は、世界の情勢から見ても遅れをとっているといえます。

さらに、贅沢だと思われてしまうことを嫌がる日本の気質も、影響しているのではないでしょうか。

しかしながら、国内でも少し変化が出てきたようです。

以前は、海外から日本へプライベートジェットを乗り付けても、一般人と同様の入国手続きが必要でしたが、成田空港に「Business Aviation Terminal – Premier Gate -」ができてから、利便性は高まったようです。
2008年、国土交通省は今後ビジネスジェットのための環境整備を進めていくという方針を明らかにしています。欧米にはまだまだ及ばずとも、今後日本において市場が拡大していくことは確実です。

「Business Aviation Terminal – Premier Gate -」について

なお、「Business Aviation Terminal – Premier Gate -」は、ビジネスジェットのお客様だけが利用できる空間として運用され、利用者のプライバシーとセキュリティーを確保してくれます。
また、専用のルート・CIQ(税関、出入国管理、検疫)施設を整備し、短時間かつストレスフリーな出入国の手続きが可能になっているということです。
さらには、着陸から短時間で送迎車に乗り換えることができ、出発時も、自身の車で到着後、すぐに飛び立つことができるのです。

ちなみに、気になる使用料は、到着または出発1回ごとに250,000円(消費税及び地方消費税別)と、決して誰でもお手軽にという設定ではありませんが、スピーディかつ、上質なサービスを受けられるのであれば高すぎるということもないのかもしれません。

日本においてのビジネスジェットの認識も、「贅沢品」から「より効率的にビジネスを行うためのツール」へと変わっていけば、所有者数は増えると思います。

 

6.空港使用料も桁外れ

これまでに、ビジネスジェット自体の価格、維持費などを取り上げて紹介してきましたが、ビジネスジェットの所有において、気をつけなければならないポイントがもう一つあります。
それは、『空港使用料』です。つまり、着陸料が発生するのです。
着陸料はプライベートジェットに対して請求する額が空港によって異なります。

どこの空港が高額なのかを以下に挙げると、

  • 第1位 羽田空港(日本):6850ドル(約82万1000円)
  • 第2位 成田空港(日本):5600ドル(約67万1000円)
  • 第3位 関西国際空港(日本):5400ドル(約64万7000円)
  • 第4位 トロント・ピアソン国際空港(カナダ):5200ドル(約62万3000円)
  • 第5位 ダーウィン国際空港(オーストラリア):4600ドル(約55万1000円)
  • 第6位 ブリストル空港(イギリス):4400ドル(52万7000円)
  • 第7位 中部国際空港(日本):4300ドル(51万5000円)
  • 第8位 ダブリン空港(アイルランド):4100ドル(49万1000円)
  • 第9位 ラガーディア空港(アメリカ):3950ドル(47万3000円)
  • 第10位 ザルツブルグ空港(オーストリア):3800ドル(45万5000円)

このように、10位のなかに日本の空港が4つもランクインしており、さらに上位3つはすべて日本の空港という結果でした。
これは、日本の空港がそれだけサービスを充実させているからというのも理由だと思われますが、この価格が日本においてのビジネスジェットの普及が進まない原因のひとつとも言えるのではないでしょうか?

 

7.自家用ジェットの免許取得について

自家用ジェット免許取得
さて、自身で所有する自家用ジェット、パイロットを雇って空の旅を楽しんだり、キャビンでビジネスの準備をしたりするのも良いのですが、自分で操縦できるようになりたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
そこで、自家用ジェットの免許取得についても触れておきます。
手順は自動車と同じように

  1. 座学
  2. 実習
  3. 試験

の3つのプロセスで取得となります。
ただし、いきなり自家用ジェットの免許の取得とはいきません。
最初は『自家用レシプロ機』の単発免許を取得しなければなりません。
自家用レシプロ機とは、いわゆる私たちが『セスナ機』と呼んでいる、エンジンが1つのプロペラ飛行機です。
この機体の免許をまずは取得しないと、始まらないのです。
このセスナ機の免許を取得したら、『多発機』という、エンジンが2つ以上のレシプロ機の免許へと進みます。
いわゆる『多発限定』というものなのですが、この免許を取得すると、離陸重量が5.7トンより軽い機体であれば、どの機体(自家用のレシプロ機)も操縦できるようになるのです。

 

8.免許取得にかかる費用

免許 費用
取得までの簡単なプロセスは前章でご案内したとおりでごすが、実際に取得するのに必要な金額はいくらなのでしょうか?
本章では、気になる飛行機免許取得にかかる費用についてご説明します。

結論から言うと、日本で免許を取るケースはほとんどなく、大半がアメリカへ行って実技講習を受けています。
その理由は、単純にコストの問題です。
日本で実地訓練をすれば、燃料費から保険料、駐機料など、かなり高いコストがかかってしまいます。その上、国土が狭い日本では、空港周辺の問題などもあるので大変です。
その点、アメリカであれば広大な国土があり、それにともなって飛行場も多いため、コストが安くなるのです。

例えば、日本で飛行機を1時間飛ばす場合、コストは5万円かかります。自家用免許取得の場合、実地訓練に100時間を要するので、単純計算で500万円は必要になってしまいます。
しかし、アメリカの場合は1時間あたり1万5000円なので、100時間飛行しても150万円です。
しかも、アメリカでの訓練では100時間も必要とせず、60時間程度でよいとされているので、かなりコストを抑えることができるのです。

わかりやすくまとめると、

日本の場合:5万円(1時間あたり)×100時間=500万円
アメリカの場合:1万5千円(1時間あたり)×60時間=90万円

なんと、アメリカで取得する場合の費用は、日本の場合の1/5以下。
時間も40時間も短縮されるため、経済的にも時間的にも負担が非常に軽いのです。

そのため、飛行機の免許はアメリカで取る人が多いのです。

9.飛行機を愛するジョン・トラボルタ

日本では自家用ジェットを所有している人がまだ少ないのですが、海外では多くの著名人が自家用ジェットを利用しています。
中でも、アメリカの俳優『ジョン・トラボルタ』は大の航空機マニアとして有名で、1974年に初めて航空機の操縦資格を取得してから、2002年までの総飛行時間は5000時間を超え、のちに「最初の給料は全て飛行訓練に消えた」と語っています。
彼は現在、ボーイング747や707などの大型旅客機を含む9機種の操縦資格を取得しているほか、自宅には巨大な滑走路もあり、自家用機として2機のジェット機と数機の軽飛行機を所有しています。

トラボルタ自宅

ジョン・トラボルタという俳優の名前は知っていても、どのような活躍をした人物なのかは知らない人もいらしゃるかと思うので、簡単にご紹介しましょう。

ジョント・ラボルタ

ジョント・ラボルタは1954年2月18日生まれで、イタリア系アメリカ人とアイルランド系アメリカ人との間に生まれました。
彼を有名にしたのが、1977年に主演した青春映画『サタデー・ナイト・フィーバー』で、比較的最近ではクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994年)にも出演し、長年にわたり映画界のスターとして君臨しています。

また、彼は2004年にカンタス航空とタイアップした「Spirit of Friendship」ツアーで、自身が所有するボーイング707をカンタス航空の往年の塗装に戻した上、自らの操縦により

  • ニュージーランド
  • シンガポール
  • 香港
  • 日本
  • イギリス
  • イタリア
  • フランス
  • ドイツ

と、8つもの国を訪問したのです。その総飛行距離はなんと64,700km!
なお、このボーイング707は、トラボルタ自身が親善大使を務めているカンタス航空より1998年に購入したもので、機首には「Jett・Clipper・Ella」と家族の名前を盛り込んだ愛称が記されています。

以下の画像が、彼の所有している自家用ジェットです。
トラボルタ707

家族の名前に「Jett」と入っていることにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、彼は飛行機が好きすぎで、自分の子どもに「ジェット」と名付けてしまったのです。
このエピソードからも、ジョン・トラボルタの飛行機に対する強い想いが伝わってきますね。

 

あとがき

ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。

今回取り上げた自家用ジェット=ビジネスジェットは、常識的に考えれば夢のようなツールです。
しかし、これに乗ってビジネスを的確にこなす自身の姿を想像するだけでも、明日から頑張るための刺激になるのではないでしょうか。
この記事を読んだ方の中から、ビジネスジェットのオーナーになっていく人が現れたらとても嬉しいことです。

以上、
「自家用ジェットを所有するための基礎知識 7つのポイント」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。